今回は
条件付き確率と
ベイズの定理
について
説明していきます
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条件付き確率
条件付き確率は
ある事象が別の事象が発生した条件の下で
どれくらいの確率で発生するか
を示す確率の概念です。
条件付き確率は
Aが起きた条件の元でBが起こる確率は
P(B|A)と表されます。
\( \displaystyle P(B❘A)= \frac{P(A\cap B)}{P(A)}\)
変形すると乗法の定理になる
\(\displaystyle P(A\cap B)=P(A)P(B❘A)\)
例題を使って
説明するよ!
【例1】乱数サイ
{0,1,….,9}の目が等しい確率で
出るように作られた20面体のサイコロを
1回投げた場合
「6以上の目かつ 4の倍数が出る確率」
を求めよ
全事象を確認すると
E={0,1,2,3,4,5,6,7,8,9}
AとBの事象を設定する
A:「6以上の目」
B:「4の倍数の目」
\(A\cap B\):「6以上の目かつ4の倍数」
事象Aと事象Bの要素を纏める
A={6,7,8,9}
B={0,4,8}
Bの要素の中でAに含まれているのが
8なのでAの条件の元でBが起きる確率は
\(\displaystyle P(B❘A)=\frac{1}{4}\)
事象Aが起こる確率は
\(\displaystyle P(A)=\frac{2}{5}\)
事象Bが起こる確率は
\(\displaystyle P(A)=\frac{3}{10}\)
乗法の定理より
\(\displaystyle P(A\cap B)=P(A)P(B❘A)=\frac{2}{5}×\frac{1}{4}=\frac{1}{10}\)
【例2】製品の不良率
ある製品の60%は工場A,30%は工場B
10%は工場Cで作られている。
工場A,B,Cの製品にはそれぞれ
6%,3%,1%の不良品が含まれる。
製品の中から無作為に選んだ製品が
不良品だった時
工場Aである確率を求めよ
A:無作為に選んだ製品が不良品である
B:工場Aの製品である
\(\displaystyle P(A)=\frac{6}{100}・\frac{60}{100}+\frac{3}{100}・\frac{30}{100}+\frac{1}{100}・\frac{10}{100}\)
\(\displaystyle P(B)=\frac{6}{100}\)
\(\displaystyle P(B❘A)=\frac{\frac{6}{100}・\frac{60}{100}}{\frac{460}{10000}}\)
\(\displaystyle =\frac{18}{23}\)
事象の独立性とは?
事象の独立性とは
一方の事象が起こった時
二つ目の事象に影響しない
ことを示す。
\(P(B❘A)=P(B)\)
\(P(A\cap B)=P(A)(B)\)
例題を使って事象の独立性を説明します。
【例3】スマホゲーム
1回の100円の課金ガチャを行うと
5%の確率で最高ランクのカードが
あたるスマホゲームがある。
1000円で1回最高ランクのカードが
当たる確率を求めよ
P(A):1回の試行で最高ランクのカードが当たる確率
P(B):1回の試行で当たらない確率
とすると
\(\displaystyle P(A)=\frac{5}{100}\)
\(\displaystyle P(B)=\frac{95}{100}\)
1000円なので10回引ける
10回の試行は独立しているので
1回目で当たり残りは外れた場合は
\(\displaystyle =\frac{5}{100}・\frac{95}{100}・\frac{95}{100}・\frac{95}{100}・\frac{95}{100}\)
\(\displaystyle・\frac{95}{100}・\frac{95}{100}・\frac{95}{100}・\frac{95}{100}・\frac{95}{100}\)
\(\displaystyle =0.031512 =3.15%\)
1回あたりで9回外れの試行は表にまとめると10パターン
1回目あたり |
2回目あたり |
3回目あたり |
4回目あたり |
5回目あたり |
6回目あたり |
7回目あたり |
8回目あたり |
9回目あたり |
10回目あたり |
確率は一様に3.15%なので
3.15×10=31.5%
ベイズの定理
事象Aと事象Aの原因事象とと考えられる
n個の排反な\(H_1,H_2….H_n\)が考えられ
それ以外原因が見当たらないとする。
条件付き確率の式に基づくと
\( \displaystyle P(H_i❘A)= \frac{P(H_i\cap A)}{P(A)}\)
乗法の定理を利用すると
\(P(H_i\cap A)=P(H_i)P(A❘Hi)\)より
\( \displaystyle P(H_i❘A)= \frac{P(H_i)P(A❘Hi)}{P(A)}\)…(1)
P(A)はn個の排反な\(H_1,H_2….H_n\)によって
発生すると考えられているので
\(P(A)=P(A\cap H_1)+P(A\cap H_2)+…+P(A\cap H_n)\)
更に変形すると
\(P(H_1)P(A❘H_1)+P(H_2)P(A❘H_2)+…..\)
\(+P(H_n)P(A❘H_n)\)
\(\displaystyle =\sum_{j=1}^{n}P(H_j)P(A❘H_j)\)
(1)の式のP(A)に代入すると
\(\displaystyle \frac{P(H_i)P(A❘H_i)}{\sum_{j=1}^{n}P(H_j)P(A❘H_j)}\)
例題を載せていきます!
【例4】航空機のシステム故障
ある航空で利用しているある機種の
航空機のシステム別故障の確率
およびシステム故障が生じたとき
運航中止となる条件付き確率は次の様であった。
ある便が運航中止になったとする。
この航空機の故障個所が
ローターである確率を求めよ。
二つ以上の故障はないとする
システムの故障個所 \(H_i\) | システムの 故障原因が \(H_i\)である確率 | \(H_i\)が生じたとき 運航中止確率 |
機体 | 0.3 | 0.008 |
ロータ | 0.15 | 0.048 |
電気 | 0.13 | 0.04 |
計器 | 0.13 | 0.05 |
動力 | 0.03 | 0.1 |
通信 | 0.03 | 0.15 |
その他 | 0.23 | 0.014 |
事象A:運航中止になった
事象\(H_{ロータ}\):システムの故障個所はローターである
問いの言葉を整理すると
運航中止になった時
原因を探してみたら
ローターであった
ということなので条件付き確率で
2事象を整理できます!
\(P(H_{ロータ}❘A)\)となります!
\(P(H_{ロータ}❘A)\)は条件付き確率の公式を利用すると
\( \displaystyle P(H_{ロータ}❘A)= \frac{P(H_{ロータ})P(A❘H_{ロータ})}{P(A)}\)
上辺\(P(H_{ロータ})P(A❘H_{ロータ})\)は表より
0.15・0.048=0.0072
表から見るとシステムは7要因で故障
することが分かっています!
事象Aは7要因が起こった時発生する
よって下辺P(A)は
\(P(A)=P(A \cap H_1)+P(A \cap H_2)\)
\(+P(A \cap H_3)+…P(A \cap H_7)\)
乗法の定理で整理すると
\(\displaystyle =\sum_{j=1}^{7}P(H_j)P(A❘H_j)\)
\(\displaystyle =\sum_{j=1}^{7}P(H_j)P(A❘H_j)\)
\(0.3・0.008+0.15・0.048+0.13・0.04+0.13・0.05\)
\(+0.03・0.1+0.03・0.15+0.23・0.014\)
\(=0.03202\)
ベイズの定理より\(P(H_{ロータ}❘A)\)は
\(\displaystyle =\frac{P(H_{ロータ})P(A❘H_{ロータ})}{\sum_{j=1}^{7}P(H_j)P(A❘H_j)}\) なので
\(\displaystyle =\frac{0.0072}{0.03202}\)
\(=0.2248\)
運航中止になった時、
ロータである確率が
22.5%であることが分かりました!
例えばアラートが出て
運航中止になった時
システムの故障原因を調べる時
確率の高いものから調べていけば
よさそうですね!
参考文献
まとめ
今回は条件付き確率と
ベイズの定理について説明した後
沢山の例題を使って理解を
深めていきました。
是非勉強用に使ってください!