今回は
偏差、平方和、
分散、標準偏差
について説明します。
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今回説明する統計量 !
統計量 | 公式 |
偏差 | \(\displaystyle x_n-\overline x\) |
平方和 | \(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}(x_k-\overline x)^2\) |
分散 | \(\displaystyle \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}(x_k-\overline x)^2\) |
標準偏差 | \(\displaystyle \sqrt{\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}(x_k-\overline x)^2}\) |
上記の統計量は
散布度と呼ばれる
統計量です。
初めに
散布度について
説明します。
散布度
散布度とは
データの散らばり具合を示す値です。
3人の国語の点数データがあります。
科目 | A君 | B君 | C君 |
国語 | 60 | 70 | 75 |
同じ国語のテストを受けても
点数が60点,70点,75点と
人によってバラバラです
このバラバラ具合を数値で示そう
としたものが散布度です
散布度の説明を
しました。
続いて偏差について
説明をします
偏差
偏差とは
データ ー 平均値で
\(\displaystyle x_n-\overline x\)
で表すことが出来ます
平均の値からどれだけ離れているか
を確認する統計量です。
偏差の性質
\(\displaystyle\sum_{k=1}^{n}(x_k-\overline x)=0\)
証明
\(\displaystyle\overline x=\frac{(x_1+x_2+x_3…x_n)}{n}\)
\(\displaystyle\sum_{k=1}^{n}(x_k-\overline x)=(x_1+x_2+x_3…+x_n)-n\times\overline x\)
\(=(x_1+x_2+x_3…+x_n)-\displaystyle n\times\frac{(x_1+x_2+x_3…x_n)}{n}\)
\(=0\)
偏差の説明をしました。
続いて平均偏差の
説明をします
平均偏差
平均偏差は
偏差の絶対値の合計値をデータ数で割ったもの
偏差の総和は0になるが
偏差を絶対値に変換することによって
偏差の問題を解消しています。
\(\displaystyle平均偏差=\frac{|x_1-\overline x|+|x_2-\overline x|+…|x_n-\overline x |}{n}\)
\(\displaystyle=\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}|x_k-\overline x|\)
続いて
偏差平方和を
求めます
偏差平方和(Sum of squares)
偏差平方和は
偏差を二乗した合計
\(\displaystyle S=\sum_{k=1}^{n}(x_k-\overline x)^2\)
式の展開
\(=\displaystyle \sum_{k=1}^{n}x^2_k-2\overline x \sum_{k=1}^{n}x_k+\overline x^2\)
\(\displaystyle \overline x =\frac{\displaystyle\sum_{k=1}^{n}x_k}{n}\)を代入すると
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}x_k^2-\frac{\displaystyle(\sum_{k=1}^{n}x_k)^2}{n}\)
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}x_k^2-\frac{\displaystyle(\sum_{k=1}^{n}x_k)^2}{n}\)
分散は平方和を
利用して
求められています
分散(variance)
分散とは
「偏差の二乗の総和」÷「データ数 or データ数ー1」
分散は主に標本分散と不偏分散の2種類がある
下記の表にまとめる。
統計量 | 式 |
標本分散 | \(s^2=\frac{S}{n}\) |
不偏分散 | \({\hat{σ}}^2=\frac{S}{n-1}\) |
最後に標準偏差を
説明します
標準偏差
標準偏差は
\(s=\sqrt{分散}\)
分散の単位はデータを2乗しているので
測定単位の二乗
になってしまう
この問題解決するため
平方根を利用することで
測定単位を揃えた統計量
として扱うことが出来ます。